コラム vol.204-4特集:空き家問題、実家問題を考える(4)知らないと損?空き家と稅金について
公開日:2017/07/28
前回は、空き家に関する國の方針である「空き家等に関する基本方針」の中から、「空き家対策特措法」について述べました。今回は、空き家と稅金についてまとめておきます。
不動産を所有しているとかかる稅金
住宅など不動産を所有していると固定資産稅がかかります。また、市街化區(qū)域については、これに加えて都市計(jì)畫稅がかかります。ともに、地方稅なので、各自治體に納めることになります。
各市町村で納期は異なり、年間一括払いもしくは4回の分納となり、たとえば東京23區(qū)の場合には6月、9月、12月、翌年2月が期日となっています。
固定資産稅や都市計(jì)畫稅は、固定資産稅臺帳に記載された固定資産稅評価額に稅率をかけたものになります。(特例処置などがいろいろありますので、臺帳そのままの金額でないこともあります)この稅率(標(biāo)準(zhǔn))は、固定資産稅で1.4%、都市計(jì)畫稅では~0.3%が上限となります。
住宅用地の特例が、空き家が溫存される溫床に
住宅の用地については、投機(jī)的な不動産売買や超富裕層ばかりでないことを考慮して、その広さに応じて稅の負(fù)擔(dān)を軽くする特例があります。
固定資産稅も都市計(jì)畫稅も、評価額×稅率で計(jì)算しますが、この評価額そのものを下げることで稅負(fù)擔(dān)を軽くしています。具體的には、小規(guī)模宅地(200m2まで)あるいは、それより大きな宅地での200m2までの部分では固定資産稅評価額が1/6に都市計(jì)畫稅が1/3になります。
住宅用の用地の特例ですので、住宅として住んでいた家が使われなくなっても、空き家にしておけば、特例扱いとなります。しかし、空き家を壊して、更地にしてしまえば、この特例は使えなくなり、一気に固定資産稅が6倍になります(小規(guī)模宅地の場合)。
このような稅制もあって、空き家がそのまま放置されてしまう一因になっていると思われます。
特定空家に認(rèn)定されると、固定資産稅が跳ね上がる!
このような背景から、第3回で述べた「特定空家」に認(rèn)定された空き家については、固定資産稅の特例が使えなくなりました。
以下、「空家等に関する基本方針」から、引用します。
この固定資産稅等の住宅用地特例が、管理狀況が悪く、人が住んでいない家屋の敷地に対して適用されると、比較的地価が高い地域においては當(dāng)該家屋を除卻した場合と比べて固定資産稅等が軽減されてしまうため、空き家の除卻や適正管理が進(jìn)まなくなる可能性があるとの指摘が存在する。
空き家等の中でも、「特定空家等」は地域住民の生活環(huán)境に深刻な影響を及ぼしているものであり、その除卻や適正管理を促すことは喫緊の課題である。
(途中省略)
以上を踏まえ、平成27年度の地方稅法の一部改正により、固定資産稅等の住宅用地特例の対象から、法第14條第2項(xiàng)の規(guī)定により所有者等に対し勧告がされた「特定空家等」の敷地の用に供されている土地を除くこととされた(地方稅法第349條の3の2第1項(xiàng)等)。
また、あわせて、人の居住の用に供すると認(rèn)められない家屋の敷地に対しては、そもそも固定資産稅等の住宅用地特例は適用されないことに留意が必要である。
…引用ここまで
このような対処が行われ平成27年度より、特定空き家に認(rèn)定されると特例が受けられなくなっています。このため、一気に固定資産稅が上がることになります。このような稅制で行政は「管理の行き屆いていない危険な空き家を排除したい」と考えているようです。
空き家の相続における稅制優(yōu)遇
空き家そのものの発生を防ぐための稅制優(yōu)遇があります。
それが、空き家の発生を抑制するための稅制上の特例措置(所得稅?個人住民稅の特例)です。
その概要は、以下のようになっています。(國土交通省資料)
これは、居住用の家が空き家となる最大の契機(jī)が相続時(shí)であることから、平成28年4月1日からスタートした制度です。
相続日から起算して3年を経過する日の屬する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、當(dāng)該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、當(dāng)該家屋又は土地の譲渡所得から3,000萬円を特別控除する。
特例の対象となる家屋は、次の要件を満たすことが必要です。
- 1)相続の開始の直前において被相続人の居住であったこと
- 2)相続の開始の直前において當(dāng)該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること
- 3)昭和56年5月31日以前に建築された家屋(區(qū)分所有建築物を除く)であること
- 4)相続の時(shí)から譲渡の時(shí)まで事業(yè)の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと
また、譲渡の際には、次のような條件があります。
- 1)譲渡価額が1億円以下であること
- 2)家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地等も併せて譲渡する場合も含む)、當(dāng)該譲渡時(shí)において、當(dāng)該家屋が現(xiàn)行の耐震基準(zhǔn)に適合するものであること
このような、稅制度を?qū)毪工毪长趣恰⒖栅窑伟k生を未然に防ぎ、また空き家となってしまったものについては、速やかにその対策を行うよう促しています。
空き家をすでに相続などで引き継いだ方、空き家をこれから引き継ぐであろう方は、一度信頼できる専門家に相談するといいと思います。














