コラム No.122-2CREコラム
注目集めるWELL認(rèn)証(2)健康経営とWELL認(rèn)証
公開日:2021/10/29
WELL 認(rèn)証は快適なオフィスとそこで働く人々の健康を重視しますが、その考え方は従業(yè)員の健康増進(jìn)に配慮する「健康経営」に通じるものがあります。健康で働きやすくなれば生産性が向上し、醫(yī)療費(fèi)など社會保障コストの軽減にもつながります。今回は健康経営とWELL認(rèn)証の関係について考えます。
健康経営が注目される理由
健康経営とは、経営管理と健康管理を一體的にとらえ、従業(yè)員の健康増進(jìn)を図り企業(yè)の業(yè)績向上につなげる経営手法といわれています。少子高齢化は労働人口の減少と雇用年齢の上昇を生んでいます。そこで多くの企業(yè)では、従業(yè)員の健康に配慮することが生産性の向上や雇用の安定につながり、ひいては業(yè)績拡大をもたらすと考えるようになりました。
言い換えれば、企業(yè)の利潤追求と働く人の健康維持は両立するという考え方が広まっているのです。企業(yè)は人なりといい、「人財(cái)」という言葉があるように、會社組織を動かす原動力の1つは労働力、つまり従業(yè)員のパワー。彼らの健康に投資することは積極的な経営手法と認(rèn)識されるようになってきたのでしょう。
企業(yè)は國民健康保険など従業(yè)員の社會保険料を一部負(fù)擔(dān)していますが、より健康であればその分コストを軽減できるメリットがあります。これは國全體としてみると、社會保障費(fèi)を減らすことにつながります。高齢化社會になり、國民醫(yī)療費(fèi)と介護(hù)保険給付への対応などが財(cái)政を圧迫しています。長時間労働や職場でのストレスなどによるメンタルヘルスなど、職場で発生する健康被害も増えています。従業(yè)員の健康維持は単に生産性の向上や社會保障コストの軽減にとどまらず、企業(yè)が近年求められている社會的責(zé)任になっているといえます。
図1:健康経営の効果が現(xiàn)れるフロー

「健康経営の推進(jìn)について」(令和3年10月 経済産業(yè)省 ヘルスケア産業(yè)課)より作成
健康経営は、どのように実踐していくのでしょうか。経済産業(yè)省が作成した「(新)企業(yè)の『健康経営ガイドブック』」(改訂第1版?平成28 年4月)によれば、次のようなステップをたどります。
- (1)経営のトップが健康経営の重要性を理解し、その考え方を社內(nèi)外に示す
- (2)従業(yè)員の健康維持および増進(jìn)に向けて専門部署を設(shè)置するなど組織體制を構(gòu)築する
- (3)従業(yè)員の健康データを把握?分析して、醫(yī)療費(fèi)削減やメンタルヘルス軽減など具體的な目標(biāo)を立て、その実現(xiàn)に向けた施策を?qū)g行する
- (4)目標(biāo)と実行策における取り組みを検証し、次に生かせるようPDCA(計(jì)畫→実行→評 価→改善)のサイクルが機(jī)能する體制を構(gòu)築する
健康経営における支援ビジネスも
具體的な取り組み內(nèi)容は企業(yè)によってさまざまです。休憩時での體操や階段の利用促進(jìn)、禁煙を支援する取り組みなどのほか、社內(nèi)に設(shè)置している自動販売機(jī)に糖分を表示、健康飲料を加えるなどがあります。また社內(nèi)での歯科検診、人間ドックの奨勵、さらに生活習(xí)慣病の予防について書かれたパンフレットなどを配布する企業(yè)もあります。
健康経営の導(dǎo)入から実踐までを支援する企業(yè)も數(shù)多く登場しています。飲料メーカーやサプリメントなどを製造販売している企業(yè)では、自社の健康商品の販売促進(jìn)を兼ねて法人向けの健康経営支援サービスを展開しています。コロナ禍を反映してか、スマートフォンで健康に関する動畫を配信したりするなどリモートワークにも対応しているケースも目立ちます。
ある大手企業(yè)は、體に身につけるウエアラブル端末から歩數(shù)や睡眠狀態(tài)などのデータを収集?蓄積し、生活習(xí)慣の改善によって生じる健康上の変化を社員自らが認(rèn)識するようなサービスを提供しています。また生命保険會社の健康経営支援サービスは、長年にわたって人の生死にかかわっているだけに、従業(yè)員の健康管理に対して豊富なノウハウがあるようです。
健康経営とWELL認(rèn)証は共通項(xiàng)が多い
オフィスで働く人々の健康増進(jìn)にコミットする健康経営は、職場の環(huán)境性能を改善することを目指すWELL認(rèn)証と同義といえるでしょう。WELL認(rèn)証は建物に対して健康と居住性の視點(diǎn)から改善を図るものであり、その內(nèi)容は空気、水、食物、光、運(yùn)動、溫?zé)峥爝m性、音、材料、こころ、コミュニティ、イノベーションの各項(xiàng)目について対象となる建築物に対して評価を行います。
例えば「運(yùn)動」。WELL認(rèn)証では社內(nèi)のフィットネス器具の設(shè)置や運(yùn)動スペースの確保が評価(加點(diǎn))項(xiàng)目に挙げられています。健康経営では、長時間労働による運(yùn)動不足解消のため、企業(yè)が福利厚生の観點(diǎn)からフィットネスジムなどの施設(shè)利用券を従業(yè)員に配布したりするケースがあります。WELL 認(rèn)証の「こころ」では、メン
タルヘルスサービスの有無や心身回復(fù)のための機(jī)會、喫煙の中止が評価(加點(diǎn))項(xiàng)目に盛り込まれています。健康経営においては、メンタルヘルス問題の取り組みは必須ともいえます。
従業(yè)員が心身ともに不調(diào)な狀態(tài)に陥れば、生産性は大きく低下し企業(yè)業(yè)績に影響を與えかねません。放置すれば離職や休業(yè)にもつながります。そうなると休業(yè)補(bǔ)償や人員補(bǔ)填など経営コストも上昇します。生産性の低下だけでなく業(yè)績低下にもつながっていくのです。健康経営にとって最も大きなテーマの1つがメンタルヘルスであり、健康経営とWELL認(rèn)証では多くの共通點(diǎn)があるといえるでしょう。











