デット（負(fù)債）とエクイティ（資本）

不動(dòng)産の証券化では、収益を生み出すための仕組みを作る必要があります。そのためにはSPC（特別目的會(huì)社）に軍資金がなければ、何も始まりません。SPCはアレンジャーと協(xié)業(yè)して、不動(dòng)産の所有者（オリジネーター）から不動(dòng)産を購(gòu)入し信託受益権などの有価証券を発行し投資家に販売しますが、設(shè)立した當(dāng)初は資金がありません。そこで資金を調(diào)達(dá)することになります。
資金調(diào)達(dá)は、銀行や証券會(huì)社などのアレンジャーが中心になって行います。その方法は、一般の株式會(huì)社と同じ手法で、銀行融資や社債の発行、株式の発行があります。銀行融資は、當(dāng)然のことですが返済する義務(wù)があります。社債も償還期限が來(lái)れば利率に基づいて債券の元本金額に利息を付けて返済しなければなりません。

銀行融資や社債発行で得た資金は返済義務(wù)があり負(fù)債（Debt）に相當(dāng)することから、デット?ファイナンスと呼ばれます。一方、株式の発行による資金は會(huì)社が利益を出せば投資家に配當(dāng)を分配しますが、調(diào)達(dá)したお金の返済義務(wù)はありません。會(huì)社の資本に組み入れられるので資本（Equity）を増やすための資金調(diào)達(dá)であることから、エクイティ?ファイナンスと呼ばれます。

そして、返済義務(wù)の「ある」ほうが「ない」ほうに優(yōu)先して資金の返済を受けることになります。元金と利息を合わせた元利金の返済は、デット?ファイナンスが優(yōu)先し、エクイティ?ファイナンスは後回しということになります。

メザニンは中二階の意味

資金調(diào)達(dá)も、近年はより多様化?複雑化しています。デット、エクイティの中間に位置するのがメザニン?ファイナンスです。メザニンとは英語(yǔ)で「中間」の意味。百貨店?デパートで見(jiàn)かける「M2」という表示は、中二階を指します。このMはメザニン（Mezzanine）の頭文字です。返済義務(wù)のあるデット?ファイナンスの部類(lèi)に入りますが、返済順位に関して優(yōu)先順位を付けて二つに分けたものです。

より優(yōu)先されるものはシニアデット?ファイナンス。その次に來(lái)るのがジュニアデット?ファイナンスで、これをメザニン?ファイナンスと呼んでいます。エクイティ?ファイナンスも2段階に分かれる場(chǎng)合がありますが、大きくはデット?メザニン?エクイティの3層構(gòu)造になっている、と覚えておきましょう。

メザニン?ファイナンス（メザニン投資）には、優(yōu)先株や劣後ローン、劣後社債などがあります。優(yōu)先株は、配當(dāng)の支払いや萬(wàn)が一のデフォルト（倒産など）の事態(tài)に行われる殘余財(cái)産の分配が普通株に優(yōu)先して行われます。劣後ローンや劣後社債は、金利や利回りが高く投資家には魅力がありますが、他のローン（債権）に比べて返済順位やデフォルト時(shí)の配當(dāng)分配が後回しにされるリスクが高いのが特徴です。

資金調(diào)達(dá)の3層構(gòu)造

エクイティ投資のレバレッジ効果

レバレッジのレバー（Lever）は、「てこ」のこと。レバレッジとは、テコを利用するという意味になりますが、金融の世界ではときどき使われる言葉です。証券化では、デット投資（ファイナンス）を活用してエクイティ投資の利回りを高くすることを、「エクイティ投資のレバレッジ効果」と呼んでいます。

例えば100億円の不動(dòng)産の場(chǎng)合を考えてみましょう。賃料収入から運(yùn)用経費(fèi)などを差し引いた収益額を不動(dòng)産価格で割って得られる利回りを「ネット利回り」といいます。このネット利回りを5％とします。金利3％の銀行融資を70億円調(diào)達(dá)し、30億円は株式発行で調(diào)達(dá)します。年間の収益は5億円（100億円×5％）、融資の返済は2.1億円（70億円×3％）で配當(dāng)原資は2.9億円（5億円－2.1億円）。利回りは9.6％（2.9億円÷30億円）になります。
これに対し、返済義務(wù)のあるデット投資を使わず、100億円を全額株式発行で賄う場(chǎng)合を考えてみます。金利は負(fù)擔(dān)しないので経費(fèi)をゼロと計(jì)算すると、年間の収益は5億円（100億円×5％）で、配當(dāng)原資は5億円。したがって利回りは5％（5億円÷100億円）になります。つまり、デットあるいはメザニンでの資金調(diào)達(dá)の割合が多ければ多いほど、エクイティ投資をした投資家には、より高い利回りがもたらされるというわけです。
しかし、銀行融資などのデット投資による調(diào)達(dá)が多くなると、返済義務(wù)を負(fù)わないエクイティ投資の部分は少なくなり、萬(wàn)が一のデフォルト（倒産など）の事態(tài)には、デット投資のリスクが高まります。そうなると、返済困難や返済不能を嫌う金融機(jī)関は融資金利を上げてくるので、資金調(diào)達(dá)費(fèi)用が増加することになります。このため、SPCやアレンジャーなどのアセットマネージャーは、デットとエクイティのバランスを的確に調(diào)整し運(yùn)用する能力が求められます。　

多様な商品を提供するために多様な資金調(diào)達(dá)手段がある

不動(dòng)産の証券化で資金の調(diào)達(dá)が多様化しているのは、より多くの資金提供者から資金を引き出し、より多くの投資家に販売したい狙いがあるからです。SPCとアレンジャーがさまざまな手法で調(diào)達(dá)した資金は、その調(diào)達(dá)手段ごとに異なる証券化商品を生み出します。リスクを取りたくない金融機(jī)関には優(yōu)先して返済し、リスクを承知でハイリターンを望む投資家には高い利回りを設(shè)定して商品を組成します。証券化商品の魅力は、こうした多様な商品群にあるといえるでしょう。