コラム No.27-15サプライチェーン
秋葉淳一の「CREはサプライチェーンだ!」 Vol.8 「ビッグデータ」が資産価値を上げる
公開日:2017/07/28
7月上旬、アマゾンの遅配や未著が話題となった。このニュースを目にされた方も多數(shù)いるだろう。ヤマトの労働環(huán)境問題から物流に関するニュースが業(yè)界內(nèi)ニュースではなく、一般のニュースになり、世の中の多くの方が「物流」を気にかけるきっかけとなった。
少しずつではあるが、多くの人にロジスティクス?物流というものが理解され、重要性も認(rèn)識されてきている。
長年この業(yè)界に関わってきた一人として、この機(jī)會に現(xiàn)実を少しでも伝えたいと思っている。
2017年6月9日、政府は未來投資戦略2017(Society 5.0の実現(xiàn)に向けた改革)を発表している。人類が経験してきた「狩猟」、「農(nóng)耕」、「工業(yè)」、「情報(bào)」に次ぐ社會を技術(shù)革新で生み出す。IoT時(shí)代になり、大量なデータが自動(dòng)的に集積されてくる。これらをコンピュータに処理させ賢く活用していく、人間だけの処理能力では到底実現(xiàn)できない世界を?qū)g現(xiàn)していくという計(jì)畫である。
世の中の話題は、自動(dòng)運(yùn)転、隊(duì)列走行やロボットという見えるものに集中している、物流業(yè)界でも、自動(dòng)運(yùn)転や隊(duì)列走行でドライバーの不足がカバーできるのでは?という話をされる方もいるが、必ずしもそうではない。このあたりの話は次回以降にさせて頂くこととして、今回は人工知能やロボットの活用に必要なデータについて記述させて頂きたいと思う。
実は「データ」が重要
多くの企業(yè)がビッグデータに注目している理由は、ビジネスを取り巻く環(huán)境変化がとてつもない速度で発生していることと、業(yè)種カテゴリの垣根がなくなっていることなどが理由として挙げられる。過去の経験や勘という屬人性を頼りにしたものでは、ビジネスジャッジをすることが不可能なことは多くの経営者やマネジメントが気づいているのだろう。あるデータによると、1940年から1970年の約30年に発生したビジネス環(huán)境を変えるような出來事の數(shù)と2010年から2014年に発生した數(shù)が同じだという。30年で起こったことが5年で起こる時(shí)代である。
一定の範(fàn)囲內(nèi)での出來事をベースにその範(fàn)囲內(nèi)での今後の変化を予測するのであれば屬人でも十分に可能であった。しかし、現(xiàn)在は、消費(fèi)者のニーズや潛在的な競合などのビジネス環(huán)境は時(shí)々刻々と変化している。
このような環(huán)境におけるロジスティクスもビッグデータ解析による「事前の準(zhǔn)備」と「オンデマンドでの即時(shí)対応」が必須である。そして、様々なビッグデータを収集?蓄積するために、IT化は不可欠である。
例えば、自社で扱う商品や物が今どこにあり、どのような動(dòng)きをしているのかを把握することで、保管量や在庫量を効率的に調(diào)整でき、荷役、包裝、流通加工といった一連のプロセスにおけるロボットオペレーションも効率よく、スムーズに行うことが可能となる。ビッグデータを即時(shí)に仕入れ、なおかつスピーディに分析していくことがカギとなる。またそのビッグデータの蓄積により、モノの動(dòng)き蓄積し、その傾向を分析することができれば、それに応じたロボットオペレーション體制を事前に整えられるのだ。また事故やトラブルなどの発生率、あるいはその要因となる傾向なども把握することができ、その対策をあらかじめ打つことも可能となる。
これらを行うシステムカテゴリがWMS(倉庫管理システム)と言われるものである。ただし、今、多くの物流センターで使用されているWMSは人間が作業(yè)をすることを前提としたもので。私がここで言うWMSとは違う。私が提唱するWMSとは、物流センターとその周辺のあらゆるデータを収集してビッグデータとし、人工知能によりデータを解析して倉庫全體を制御し、人工知能を搭載したロボットが最適な行動(dòng)により作業(yè)を行うための仕組みという意味でのWMSである。この仕組みがあってこそ、ロボットも活かされる。そうでなければ、いつまでたっても一定の業(yè)務(wù)範(fàn)囲內(nèi)でのみしかロボットが使用されることはない。つまり、いつまでたっても人間の代わりに、としか考えられないのだ。
未來のビッグデータ活用
「シンギュラリティ(技術(shù)的特異點(diǎn))」あるいは「2045年問題」と言われているものをご存知だろうか?
コンピュータ技術(shù)が今のスピードペースで発達(dá)し続けるとある地點(diǎn)で地球全人類の知能を超える究極のコンピュータ「A?I」が誕生し、その「A?I」がその後更に自分よりも優(yōu)秀な「A?I」を作りあげ、更にその「A?I」が次のもっと優(yōu)秀な「A?I」を作り…というものである。
本當(dāng)にそのような時(shí)代が來るかどうかの議論はしないが、人間には多くの情報(bào)が五感により集められ、蓄積されている。その情報(bào)を必要に応じて読み出し、編集して使用している。コンピュータは、その人間の何十年もの経験と多くの人數(shù)の情報(bào)を短時(shí)間で処理することが可能なのである。コンピュータが読み取り可能なデータを収集することが如何に重要であるかを示すひとつが「シンギュラリティ」である。
「データ」の有効活用に向けた課題
これからの時(shí)代に、今までのように個(gè)社単位で、出來る範(fàn)囲、実現(xiàn)したい機(jī)能だけをIT化し、データ管理を?qū)g施していては本當(dāng)の意味でビッグデータを活用することは実現(xiàn)されていかない。
データの連続性がなければ、人が介在し、人が介在するからミスへの対応が必要になる。また、多くのデータが経験値となる人工知能の進(jìn)化も制限され、結(jié)果としてロボットの進(jìn)化も制限されてしまう。
一方で、人が作業(yè)をしていれば雇用人數(shù)や稼働時(shí)間をコントロールすることで、繁忙期?閑散期に合わせたコストにすることが可能であるが、ロボットやマテハン機(jī)器など設(shè)備に投資する場合には、繁忙期にパフォーマンスを合わせる必要があり、閑散期であっても一定のコストがかかってしまう、やはり、全てを運(yùn)用コスト化するOPEXモデル(オペレーションコストモデル)に代わっていく必要がある。
企業(yè)や資産という靜的なものが、データを賢く活用することで価値を向上させていく、そんな社會がすぐそこにある。
トークセッション ゲスト:學(xué)習(xí)院大學(xué) 経済學(xué)部経営學(xué)科教授 河合亜矢子
- 第1回 物流を知り、理解することから始まる
- 第2回 テクノロジーでネットワーク化し、全體最適を図る時(shí)代
- 第3回 現(xiàn)在の學(xué)生が業(yè)界の中心となる30年後、企業(yè)はどうあるべきかを考えたい
トークセッション ゲスト:セイノーホールディングス株式會社 執(zhí)行役員 河合秀治
トークセッション ゲスト:SBロジスティクス株式會社 COO 安高真之
トークセッション ゲスト:大和ハウス工業(yè)株式會社 取締役常務(wù)執(zhí)行役員 建築事業(yè)本部長 浦川竜哉
トークセッション ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役CEO 佐々木太郎
トークセッション ゲスト:明治大學(xué) グローバル?ビジネス研究科教授 博士 橋本雅隆
トークセッション ゲスト:株式會社 日立物流 執(zhí)行役専務(wù) 佐藤清輝
- 第1回 LOGISTEEDで物流の新領(lǐng)域へ
- 第2回 LOGISTEEDの「デジタルプラットフォーム」で次世代ロジスティクスへ
- 第3回 LOGISTEEDのSSCV技術(shù)が物流の世界を拡げていく
トークセッション ゲスト:流通経済大學(xué) 流通情報(bào)學(xué)部 教授 矢野裕児
- 第1回 モビリティを再編し、物流起點(diǎn)のイノベーションを起こす
- 第2回 「その場対応のロジスティクス」から「先を読んだロジスティクス」の世界へ
- 第3回 物流ネットワークの在り方が変われば物流が変わる
トークセッション ゲスト:アスクル株式會社 CEO補(bǔ)佐室 兼 ECR本部 サービス開発 執(zhí)行役員 ロジスティクスフェロー池田和幸
トークセッション ゲスト:MUJIN CEO 兼 共同創(chuàng)業(yè)者 滝野 一征
トークセッション ゲスト:株式會社ABEJA 代表取締役社長CEO 岡田陽介
トークセッション ゲスト:株式會社ローランド?ベルガー プリンシパル 小野塚 征志
トークセッション ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
スペシャルトーク ゲスト:株式會社ママスクエア代表取締役 藤代 聡
スペシャルトーク ゲスト:株式會社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰
- 第1回 お互いのビジネスが「シェアリング」というコンセプトで結(jié)びついた
- 第2回 まずは見ていただいて、シェアリングの世界を感じていただきたい
- 第3回 シェアリング物流のコアで、かつ本質(zhì)的なところは、進(jìn)化すること
秋葉淳一のロジスティックコラム
トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏
「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ
- Vol.1 究極の顧客指向で「在庫」と「物流資産」を強(qiáng)みとする「トラスコ中山」
- Vol.2 「グローバルサプライチェーン」で食を支える日本水産
- Vol.3 「當(dāng)たり前を地道にコツコツ」実現(xiàn)したヨドバシカメラのロジスティクスシステム
- Vol.4 「新たなインテリア雑貨産業(yè)」を構(gòu)築したニトリホールディングス
- Vol.5 物流不動(dòng)産の価値を上げる「人工知能」が資産価値を上げる
- Vol.6「ロボット」が資産価値を上げる
- Vol.7「人財(cái)」が資産価値を上げる
- Vol.8「ビッグデータ」が資産価値を上げる
- Vol.9 AI、IoTがCRE戦略にもたらすこと
「物流は経営だ」シリーズ
土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)
株式會社フレームワークス會長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構(gòu)築に攜わる。
その後、多くの企業(yè)のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構(gòu)築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構(gòu)築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導(dǎo)入をサポートしている。
単に言葉の定義ではない、企業(yè)に応じたオムニチャネルを?qū)g現(xiàn)するために奔走中。









