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Sustainable Journeyは、
2024年3月にリニューアルしました。
ビルやオフィスなどの空間を、「人間の健康」の視點(diǎn)で評(píng)価?認(rèn)証する「WELL認(rèn)証(WELL Building StandardTM)」は、2014年に米國(guó)で始まりました。6年間で世界58カ國(guó)(2020年2月時(shí)點(diǎn))に広がり、日本では5件(2020年2月時(shí)點(diǎn))が認(rèn)証を取得。すでにv1からv2へバージョンアップしています。「人間の健康に良い」と認(rèn)められた空間とはどんなものなのか?WELL認(rèn)証が広がっていくと、どんなサステナブルな変化が起きるのか?
日本からの申請(qǐng)サポートを手がける(一社)グリーンビルディングジャパン WELL APの川島実さんと、WELL認(rèn)証(v1)ゴールド(インテリア)を取得しているイトーキの本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK」の設(shè)計(jì)を手がけた株式會(huì)社イトーキの星幸佑さんに、お話を伺いました。

お話を伺った方
川島実 さん
工學(xué)博士 一級(jí)建築士 建築設(shè)備士
WELL AP LEED AP (BD+C)
(一社)グリーンビルディングジャパン WELL AP
WELL認(rèn)証v2の評(píng)価システムでは、10のコンセプトをベースにした117の評(píng)価項(xiàng)目と225のパートが示されています。これらは言わば、人間の健康に対して建物や空間が貢獻(xiàn)できることのリストです。このリストの中から、必須項(xiàng)目/パートと、加點(diǎn)項(xiàng)目/パートを申請(qǐng)者が選び、書(shū)類と実地の審査を受けます。50點(diǎn)以上にシルバー、60點(diǎn)以上にゴールド、80點(diǎn)以上にプラチナが與えられます。
WELL認(rèn)証の10のコンセプト(空気、水、食物、光、運(yùn)動(dòng)、溫?zé)峥爝m性、音、材料、こころ、コミュニティで構(gòu)成される)
117の評(píng)価項(xiàng)目と225のパート
建物の評(píng)価?認(rèn)証制度と言えば、省エネ性能など環(huán)境への影響を評(píng)価するLEED®(※1)やCASBEE®(※2)などが有名です。これらが建物の性能を?qū)澫螭摔筏皮い毪韦藢潳筏啤ELL認(rèn)証は人間への影響にフォーカスしています。このため、10のコンセプトでは「こころ」「食べ物」「コミュニティ」といった、建築の枠にとどまらない視點(diǎn)が示されています。
WELL認(rèn)証で有名なPhipps' Center for Sustainable Landscapes(米國(guó)?ピッツバーグ)。ほかにも4つの國(guó)際認(rèn)証を取得している
(LEED® Platinum、Net Zero Energy Certification、Living Building ChallengeTM、4 Stars Sustainable SITESTM)
出典:Phipps' Center for Sustainable Landscapes 寫(xiě)真提供:Denmarsh Photography Inc
「建物や空間をつくって終わりではなく、建物內(nèi)で過(guò)ごす人が健康的であり続けるために必要な運(yùn)用面にも言及して、います。例えば、その空間で販売する飲み物の糖分量を25g未満に抑えると加點(diǎn)され、25g以上の場(chǎng)合の表示が必須とされています。」(川島さん)
WELL認(rèn)証ゴールド(インテリア)を取得した株式會(huì)社イトーキの本社オフィス「XORK」では、ドリンクは成分一覧表をスマートフォンで確認(rèn)でき、お弁當(dāng)や軽食は野菜中心のメニューが選べる
また、評(píng)価項(xiàng)目には、健康に関する最新の醫(yī)學(xué)研究結(jié)果が反映されるなど、人間を取りまくさまざまな領(lǐng)域の知見(jiàn)が取り入れられています。
「人間には『サーカディアンリズム』と呼ばれる生體リズムがあり、時(shí)間帯によって適した照明の明るさが変わります。晝間は一定以上の光を浴び、夕方以降は照明を落とさないと、夜、睡眠が阻害されると言われます。そこでWELL認(rèn)証では、目に入る光の量と色溫度から光環(huán)境を算定するメラノピック等価照度という數(shù)値を使って、照明を最適化することが求められています。ほかには、1日8時(shí)間以上座りっぱなしでいると壽命が短くなるという研究結(jié)果をもとに、全ワークステーションの25%は立ったままでも仕事ができるスタンディングデスクを設(shè)置することが必須項(xiàng)目になっています。」(川島さん)
同じくイトーキの本社オフィス「XORK」。社長(zhǎng)室にもスタンディングデスクが設(shè)置されている
このほか、「コミュニティ」の観點(diǎn)から多様な働き手に配慮し、搾乳室やジェンダーレストイレを?qū)毪筏郡辍ⅰ袱长长怼工斡Q點(diǎn)から、業(yè)務(wù)デスクとは別に食事がとれるスペースを用意すると加點(diǎn)されるなど、労働環(huán)境を総合的に評(píng)価する工夫が施されています。
こうした対応にはコストがかかりますが、川島さんはそれを上回るメリットがあると話します。
「WELL認(rèn)証の取得を目指すことで、企業(yè)は企業(yè)価値の向上を?qū)Г长趣扦蓼埂¥胜激胜椤⑵髽I(yè)が最もコストをかけているのは人間だからです。企業(yè)にとって最も大切なリソースである人間の健康が向上し生産性が高まることで、企業(yè)の持続可能な発展を見(jiàn)通すことができるようになる。建物の性能よりもビジネスへのインパクトが大きいと言われるようになっているんですね。そのため、LEED®は取得済みだけれどもWELLも取りたいという企業(yè)が増えています。」(川島さん)
WELL認(rèn)証の項(xiàng)目やパートにはSDGsとの関連も示されています。SDGs達(dá)成への貢獻(xiàn)度を示すことができるという面でも、企業(yè)価値を高めることにつながるようです。

お話を伺った方
星幸佑 さん
株式會(huì)社イトーキ
営業(yè)本部 FMデザイン統(tǒng)括部
そんな中、いち早くWELL認(rèn)証を取得した株式會(huì)社イトーキの本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK(以下、XORK)」では、社員の健康?快適性を高める多くの工夫が実踐され、効果が表れています。
「イトーキは、もともと健康経営優(yōu)良法人に選定いただくなど健康経営意識(shí)が高い會(huì)社です。また、オフィス家具を通して働き方を提案する會(huì)社ですので、新しくて良いことは自分たちで試行錯(cuò)誤しながら実踐して、良ければ広げる役割を擔(dān)いたいということで、WELL認(rèn)証に挑みました。」(星さん)
XORKは「新築インテリア」部門(mén)でゴールド(WELL認(rèn)証v1)を取得しており、同部門(mén)では日本初。ウェルネスに関するライブラリーの設(shè)置も加點(diǎn)ポイントとなっている
XORKは、オフィス用ビルディングにテナントとして入居しています。水道や空調(diào)、照明はビルの付帯設(shè)備で、そのまま利用するのが通例。WELL認(rèn)証取得のため、そこにも設(shè)計(jì)?デザインの手を入れました。
「通常は、空調(diào)や水質(zhì)、光量の設(shè)計(jì)まではしないので、チャレンジでした。例えば空気に関して、WELL認(rèn)証では日本の事務(wù)所衛(wèi)生基準(zhǔn)には表記されていないPM2.5を計(jì)測(cè)します。東京の一般的な平均値は10?30(※3)μg/m3くらいが多いのですが、高性能な活性炭フィルターを入れたことで一桁臺(tái)前半に抑えられています。働く社員からも『空気がきれい』『花粉癥の癥狀も軽減される』などの聲をいただいていて、大変でしたが実行してよかったと思っています。」(星さん)
※3 出典:環(huán)境省サイト「そらまめ君」
空気質(zhì)の計(jì)測(cè)値を示すパネルを共有エリアに掲示している。PM2.5以外にも CO2やホルムアルデヒド、VOCも計(jì)測(cè)するため、プリンターやFAXもこれらの有害物質(zhì)の排出が少ないものを選んで設(shè)置
また、XORKは3フロアにまたがっていますが、間の床/天井に穴を開(kāi)けて階段を設(shè)置してあります。これは、WELL認(rèn)証のコンセプトの一つ「MOVEMENT-運(yùn)動(dòng)」(※4)を達(dá)成するためのもの。目立つところに階段をおくことで、自然に運(yùn)動(dòng)量が増えるよう促しています。
※4 WELL認(rèn)証v2でのコンセプト。WELL認(rèn)証v1では「FITNESS-フィットネス」に該當(dāng)
「階段をつくるだけでなく、使いたくなるようにデザインすることも求められます。そこで素材には木を使い、階段の近くに植栽をしつらえてあります。」(星さん)
自然に運(yùn)動(dòng)を促すため、ビルの共用階段とは別に、オフィス內(nèi)に階段を設(shè)置。
WELL認(rèn)証の申請(qǐng)では、自然に親しむことができ、過(guò)ごすことが楽しい空間づくりのためにどんな工夫があるか、デザイナーが申請(qǐng)書(shū)類を書(shū)くものもあるそう。空気質(zhì)のように定量的に判斷できることだけでなく、數(shù)値化しにくい働く人の気分や雰囲気も評(píng)価されます。
星さんは、「WELL認(rèn)証のコンセプトでは『こころ』に該當(dāng)する、目的ごとの個(gè)室をふんだんに設(shè)置しました。意図的なゾーニングにより、仕事の種類に適した雰囲気やデザインをつくっています。」と話します。
マインドフィットネスルーム。いつでも使えるほか、講師を招いたマインドフルネス?プログラムも運(yùn)営されている
例えば、やわらかい光と環(huán)境音の中で瞑想できるマインドフィットネスルーム。2人で仕事をする空間や、少人數(shù)のチームでプレゼンやディスカッションをするための部屋。立って體を解放しながらミーティングができるスペースや電話専用ブース、電話や私語(yǔ)禁止のフォーカスエリアなどが用意されています。
つり輪付きのオープンな打ち合わせスペース(寫(xiě)真左)
寫(xiě)真左手手前が電話専用ブースで、右手奧がフォーカスエリア(寫(xiě)真右)
固定席をなくし、仕事のシーンに合わせて空間を選べるようにしたのと同時(shí)に、帰屬する安心感も擔(dān)保するため、800人超の社員全員に個(gè)人ロッカーが割り當(dāng)てられています。
人通りの多い階段付近に、個(gè)人ロッカー(寫(xiě)真右手奧)やオープンスペースを配置している。本物の観葉植物がふんだんに置かれて印象的だが、それでも緑化で加點(diǎn)がとれないほどWELL認(rèn)証の基準(zhǔn)は厳しい
これらの工夫により、導(dǎo)入後の社員アンケートでは、生産性の向上実感が認(rèn)められました。
「生産性の向上実感でも効果が表れていますし、WELL認(rèn)証に応じて上下昇降式のデスクを?qū)毪筏郡椤ⅰ貉搐瑯Sになった』という聲が多く寄せられたことで腰痛がつらい人がこんなにもいたのかと気づかされたり。健康を考えたら當(dāng)たり前だけれども、建築設(shè)計(jì)においては盲點(diǎn)だった部分を、WELL認(rèn)証取得のためにケアした効果が出た。WELL認(rèn)証にチャレンジしてよかったと思っています。」(星さん)
川島さんは、「WELL認(rèn)証は、広まり方がLEEDよりも速い」と驚いているそう。働き方改革や健康経営といったビジョンに注目が集まる中、ビジョンを具體化する上で有効な225もの方策が示されているWELL認(rèn)証は、今後ますます存在感を増していきそうです。

お話を伺った方
本多直也
大和ハウス工業(yè)株式會(huì)社
流通店舗事業(yè)推進(jìn)部 建築事業(yè)推進(jìn)部 企畫(huà)開(kāi)発設(shè)計(jì)部 環(huán)境?設(shè)備グループ
グループ長(zhǎng)
大和ハウス工業(yè)は、2021年秋、奈良市に新設(shè)する「(仮稱)大和ハウスグループ新研修センター」でLEED®やSITES®(※5)、ZEB(※6)とともにWELL認(rèn)証取得を目指しています。その理由について、本多は、次のように話します。
「新しい研修センターは、グローバル人財(cái)の育成の場(chǎng)であり、創(chuàng)業(yè)100周年に売上高10兆円の企業(yè)グループを目指すためのシンボルとなる施設(shè)です。ここに來(lái)たらワクワクドキドキできて、新しい気づきがあって、アイデアが創(chuàng)出される。創(chuàng)造性を刺激するような場(chǎng)所になることを目指しています。」(本多)
そこで、創(chuàng)造性を向上させる効果があるといわれるバイオフィリックデザインをはじめ、世界各國(guó)から多様な社員がストレスなく集えるユニバーサルデザインを?qū)毪筏蓼筏俊¥长欷椁蟇ELL認(rèn)証のコンセプト「こころ」や「コミュニティ」に該當(dāng)します。
自然との調(diào)和を重視した設(shè)計(jì)。建物が地面から隆起したようなイメージでつくられていて、外壁は遺跡を調(diào)査した際に発掘された1300年前の地層の土で塗裝する
「バイオフィリックデザインとは、緑あふれる自然環(huán)境を好む人間の性質(zhì)に著目したソリューションです。自然に恵まれた立地を生かして『萬(wàn)葉の庭』と題したランドスケープをつくるほか、若草山が望める高さに設(shè)計(jì)します。また、知的障がい、発達(dá)障がいを抱える方が使いやすい設(shè)備や、LGBTの方に対応したトイレを設(shè)置し、高齢者向けだけではないユニバーサルデザインを目指します。」(本多)
このほか、365日、大和ハウスグループ以外の地域コミュニティの人々に訪れていただけるような仕掛けを検討しています。
本多はWELL認(rèn)証取得を目指す作用について「ZEB(※6)も取得し、建物の省エネ化も徹底しますが、その際に心配される快適性や健康性をWELL認(rèn)証で擔(dān)保しています。例えば、省エネを考えると照明は暗ければ暗いほどいいけれど、それでは人間の快適性は損なわれます。部分部分で相反する価値のバランスを保つことができます」と話します。

3つの國(guó)際認(rèn)証とZEBの取得を目指すことで、環(huán)境にも人間にも細(xì)やかな配慮を行き屆かせた新研修センターは、企業(yè)活動(dòng)をサステナブルに成長(zhǎng)させ、どんな新たな価値を生むのか。挑戦は続いていきます。
Sustainable Journeyは、
2024年3月にリニューアルしました。