2020年6月3日、新型コロナウイルス感染拡大が世の中を騒がせていた最中、ICTを活用した地域活性化、いわゆるデジタル?トランフォーメーション（DX）施策を包括的に推進(jìn)する、「國(guó)家戦略特別區(qū)域法の一部を改正する法律」（スーパーシティ法）が公布されました。今回は、この「スーパーシティ法」について、ご紹介します。

規(guī)制改革制度による戦略的な地域活性化の歩み

國(guó)內(nèi)の規(guī)制改革制度は、特定地域で地域活性化の障害となっている規(guī)制を緩和し全國(guó)に波及することを目的とした構(gòu)造改革特區(qū)制度（2003年発足）、財(cái)政支援を含めて総合的な規(guī)制緩和區(qū)域を指定し特區(qū)間に波及させる総合特區(qū)制度（2012年発足）を経て、2014年には「世界で1番ビジネスのしやすい環(huán)境」を目標(biāo)に、規(guī)制緩和により民間投資を促し地域活性化を推進(jìn)する國(guó)家戦略特區(qū)制度が始まりました。そして2020年5月27日に「國(guó)家戦略特別區(qū)域法の一部を改正する法律」、いわゆるスーパーシティ法が成立し、6月3日に公布されました。
スーパーシティ構(gòu)想とは、ICT技術(shù)やAI、ビッグデータなどを活用し、地域社會(huì)の仕組みを根本から変えるような基盤(pán)を創(chuàng)造する取組です。日本國(guó)內(nèi)には十分な技術(shù)やノウハウは揃っているものの、様々な規(guī)制や制約から、それらを活用し実踐する場(chǎng)が限られています。そこで國(guó)家戦略特區(qū)制度を活かして、地域住民と事業(yè)者間の協(xié)力のもとに、住民生活の様々な課題を解決する「スーパーシティ」を?qū)g現(xiàn)させようという構(gòu)想が提起されています。例えば、車両の自動(dòng)走行とキャッシュレス化を?qū)g現(xiàn)することにより、高齢者等の送迎やごみ収集のオンデマンド化、貨物配送の無(wú)人化を地域で実現(xiàn)するようなことが想定されます。
これまで、特別區(qū)域內(nèi)における規(guī)制の緩和により、様々な先進(jìn)的な取組が行われて、一定の成果を上げてきた一方、これらは産學(xué)官による地域內(nèi)での実証実験的な試みであり、実効性のある仕組みとして全國(guó)的に普及するには至っていませんでした。そこで、これらの成果を踏まえて、「交通」「物流」「決済」「醫(yī)療」「教育」「行政」「エネルギー」といった各分野で共通するデータを連攜させる基盤(pán)を整備し、各分野の事業(yè)者等のプレイヤーが活用することで、地域住民へのサービスを高度化させる戦略が検討されました。

世界における先進(jìn)事例

世界各國(guó)の都市では、すでにICTを活用して、都市機(jī)能を高度化させる先進(jìn)的な取組が進(jìn)んでいます。
スペインのバルセロナでは、人や車の動(dòng)きを感知するセンサーが市中の各所に設(shè)置され、これらをWi-Fiを経由して連攜させることにより、空き駐車スペース情報(bào)を提供する「スマートパーキング」や、街路燈と連動(dòng)した見(jiàn)守りサービス、ゴミの自動(dòng)収集サービスなどの住民サービスを街単位で実現(xiàn)しており、今後は情報(bào)基盤(pán)を活用した様々な官民サービスへの展開(kāi)が期待されています。 韓國(guó)のソンド市では、埋立地に計(jì)畫(huà)的にスマートシティを創(chuàng)り、高層住宅に自動(dòng)ゴミ収集用のダクトを整備しごみ収集車を不要にする、あるいは最新のビデオ技術(shù)を活用して、遠(yuǎn)隔教育や在宅醫(yī)療が受けられる等の環(huán)境が整備されています。
また、中國(guó)の杭州市では、市中道路の約50％に監(jiān)視カメラを設(shè)置し、AIを活用することで、違反者の摘発をはじめ、信號(hào)機(jī)との連動(dòng)により交通渋滯を緩和する取組など、包括的な交通管理システムを整備しています。これらの取組は、今のところ地域単位での先進(jìn)的事例ですが、各國(guó)ともその成果を全國(guó)に広げるデータ基盤(pán)の整備を進(jìn)めており、ビッグデータとAIの活用による未來(lái)都市構(gòu)想の実現(xiàn)を急いでいます。

日本版スーパーシティ構(gòu)想の概要

國(guó)內(nèi)には、個(gè)人情報(bào)をはじめ、事業(yè)者が管理する交通、電気?ガス?水道といった生活インフラ情報(bào)、金融機(jī)関が管理する口座情報(bào)や資産情報(bào)、交通機(jī)関が管理する路線情報(bào)や乗客の乗降情報(bào)、建設(shè)事業(yè)者が管理する設(shè)備情報(bào)、公的機(jī)関が管理する住民情報(bào)や施設(shè)情報(bào)等々、様々なデジタル情報(bào)（データ）があります。これまでは、地域プロジェクトごとに、各事業(yè)者間が必要なデータを連攜した取組はありましたが、データ連攜の方式や活用條件がプロジェクトごとに異なるため、地域間での橫展開(kāi)が簡(jiǎn)単ではありませんでした。
スーパーシティ構(gòu)想では、データを提供する「データ提供者」、提供されたデータの連攜基盤(pán)を管理する「データ連攜基盤(pán)」、これらのデータを活用して住民サービスを提供する「先端的サービス（事業(yè)者）」と、それぞれのプレイヤーを3つのグループに分類しています。
これまでは、「データ提供者」と「先端的サービス（事業(yè)者）」が個(gè)別に協(xié)業(yè)するしかありませんでしたが、その仲介機(jī)能として國(guó)?自治體が主導(dǎo)して「データ連攜基盤(pán)」を運(yùn)営し、「データ提供者」あるいは「先端的サービス（事業(yè)者）」とのデータをやり取りするルール（API：アプリケーション?プログラミング?インターフェース）を定義?公開(kāi)することで、地域開(kāi)発に必要なビッグデータの活用が促進(jìn)されるはずです。この仕組みを活用することにより、地域課題に応じた住民サービスを迅速に構(gòu)築することが可能となり、先進(jìn)的な事例を全國(guó)的に橫展開(kāi)することも容易になり、地域活性化が加速することが期待されます。
スーパーシティ法の成立を受けて、2020年6月にスーパーシティ構(gòu)想の実現(xiàn)に向け、內(nèi)閣府およびスーパーシティに取り組む企業(yè)を中心に「スーパーシティ?オープンラボ」が設(shè)立され、2020年11月末現(xiàn)在、200社?団體以上が參加しています。また、2019年9月から、スーパーシティ構(gòu)想の検討を進(jìn)めている自治體等から、幅広く検討中のアイディアを募集する「自治體アイディア公募」が実施され、2020年10月現(xiàn)在で57団體が応募しており、スーパーシティの実現(xiàn)に向けて、産官學(xué)の活動(dòng)が活発になっています。

スーパーシティ構(gòu)想が想定するビッグデータの中には、既存情報(bào)以外にも、街頭?屋內(nèi)監(jiān)視カメラや自家用車載センサー情報(bào)といった、市民の基本的人権に関連する情報(bào)も含まれるため、今後、國(guó)民の自由とプライバシー保護(hù)に関する法整備の議論も進(jìn)める必要があります。
とはいえ、コロナ禍の中、現(xiàn)狀や予測(cè)把握の遅延、給付金?助成金手続きの混亂など、國(guó)內(nèi)の情報(bào)基盤(pán)の脆弱さを経験し、また世界的なテロやウイルスによるパンデミックを防御する、あるいは都市人口集中を分散する意味でも、スーパーシティ構(gòu)想の実現(xiàn)は日本には欠かせない戦略的施策であると言えるのではないでしょうか。