2023年の訪日外客數(shù)は4年ぶりに年間2000萬人を超え、インバウンド市場が急回復(fù)しています。2023年度の公表データを基に、観光地域づくり戦略について考えてみます。

予想を上回るペースでインバウンド市場が急回復(fù)

日本政府観光局（JNTO：獨(dú)立行政法人 國際観光振興機(jī)構(gòu)）、及び國土交通省観光庁が2024年1月17日に公表した、2023年度（暦年）のインバウンドに関するデータ（速報(bào)）によると、コロナ禍終息後のインバウンド市場は急速に回復(fù)しているようです。
まず、年間訪日外客數(shù)は、コロナ禍以前2019年と比較し、8割程度の2,500萬人まで回復(fù)が進(jìn)んでおり、特に10月以降の訪日外客數(shù)は2019年同月比100％を超え、右肩上がりで進(jìn)捗しています。また、訪日外國人消費(fèi)額は2019年比9.9％増の5.3兆円、一人當(dāng)たり旅行支出額は21.2萬円（2019年比33.8％増）と、過去最高を記録しました。
2023年に策定された「観光立國推進(jìn)基本計(jì)畫（第4次）」では、「質(zhì)の向上を強(qiáng)調(diào)し、人數(shù)に依存しない指標(biāo)」として、早期に達(dá)成する目標(biāo)値を「訪日外國人消費(fèi)額5兆円」「訪日外國人旅行消費(fèi)額単価20萬円／人」と設(shè)定していましたので、數(shù)値上は早々と目標(biāo)を達(dá)成したことになります。
訪日外國人消費(fèi)額に著目して、消費(fèi)額増大の要因を探ると、平均泊數(shù)が10.2泊と2019年より1.3泊延びたことで、一人當(dāng)たりの宿泊費(fèi)が55.2％増加していることが目立ちます。その他にも、飲食費(fèi)（2019年比38.1％増）、交通費(fèi)（同45.1％増）、娯楽サービス費(fèi)（同68.4％増）となっており、訪日外國人消費(fèi)額拡大に貢獻(xiàn)しています。背景として、円安による訪日外國人の消費(fèi)マインドが高まっていることや國內(nèi)物価上昇という影響もありますが、2023年度の調(diào)査結(jié)果を見る限り、観光立國を目指す日本の魅力は衰えを見せず、國內(nèi)インバウンド市場が成長基調(diào)にあることは確かなようです。
なお、2023年12月の國別訪日外客數(shù)（総數(shù)273萬人）では、韓國（78萬人）、臺(tái)灣（49萬人）、中國（31萬人）、香港（25萬人）、米國（18萬人）で74％を占めるなど、アジア、北米からの訪日客が主流となっているほか、豪州や中東からの訪日も増加傾向にあります。

訪日客は相変わらず大都市に集中

「観光立國推進(jìn)基本計(jì)畫（第4次）」では、コロナ禍でダメージを受けた観光市場を早急に回復(fù)させる必要性から、「インバウンド回復(fù)戦略」「國內(nèi)交流拡大戦略」に目標(biāo)を設(shè)定して集中した取り組みが実施され、前述のように成果は著実に出ていますが、そもそもの目的である「持続可能な観光地域づくり戦略」（観光振興が地域社會(huì)?経済に好循環(huán)を生む仕組みづくりを推進(jìn)する戦略）への波及についても考察する必要があると思います。
行楽シーズンである10月期の都道府県別外國人延べ宿泊者數(shù)を見ると、東京都（シェア37.1％／2019年同期比68.5％増）、大阪府（同16.3％／33.7％増）、京都府（同11.6％／20.3％増）と、依然として3大都市への偏りが見られます。一方で、栃木県（2019年同期比23.3％増）、群馬県（同20.9％増）、石川県（同23.2％増）、長野県（同27.9％増）、山口県（同52.0％増）、徳島県（同20.9％増）、高知県（同76.3％増）、熊本県（同27.1％増）など、訪日外客數(shù)を伸ばしている地方都市もあることから、地域ごとのインバウンドに対する取り組み事例を精査することが、今後の地域戦略策定に有効ではないかと思います。

観光地域づくり法人（DMO：Destination Management/Marketing Organization）への期待

「訪日外國人旅行者の意向調(diào)査」（日本政策銀行／日本交通公社、2023年）や「22市場基礎(chǔ)調(diào)査」（日本政府観光局、2022年）等によると、多くの訪日外國人は、日本固有の「自然や風(fēng)景」「溫泉」「日本食」に対する興味を持ち、満足度が高いようです。その意味では、地域観光地へのアクセスが整備されている関東や近畿の大都市に滯在する割合が高いことは頷けます。一方で、大都市以外の“観光ズレしていない”地方エリアへの訪問を希望する訪日旅行リピーターも少なくない中で、地方の観光情報(bào)発信が十分でないことも指摘されています。観光庁においても、「観光地域づくり法人（DMO）登録制度」を設(shè)けて、観光地域づくりの司令塔として、地域が一體となって地方誘客?旅行消費(fèi)拡大を図る體制の整備を推進(jìn)しています。
例えば、2018年に広域連攜DMO（地方ブロックレベルの區(qū)域の観光地域づくりを行う組織）に登録された一般社団法人 九州観光機(jī)構(gòu)は、九州各県、及び沖縄県、山口県を?qū)澫螗ē辚ⅳ趣筏啤趫?bào)サイト「Visit Kyushu」を運(yùn)営するなど、アジアや歐米、大洋州に向けて多言語によるSNSやWEBを活用した情報(bào)発信を行うとともに、旅行エージェントやメディアへのPRに力を入れています。また、國際サイクルロードレース「ツール?ド?九州」の開催を企畫し、九州?沖縄?山口各県を自転車で巡る「ディスカバー九州」の取り組み等を各自治體と連攜して進(jìn)めるなど、多様な観光資源を持つ九州全域へのインバウンド誘客に力を入れています。 このような活動(dòng)が奏功してか、米TIME誌で「2022世界で最も素晴らしい場所50選」に九州が選出されたほか、2024年1月には、ウォール?ストリート?ジャーナル紙で「2024年に行くべき場所ベスト10」に九州が、ニューヨーク?タイムズ紙で「2024年に行くべき52カ所」に山口市が選ばれています。

観光地として日本の認(rèn)知度が高まっている中で、インバウンドが急回復(fù)し、國の主要産業(yè)として成長しつつある今、広域な公民連攜による地域活性化の重要な活動(dòng)として、観光地域づくり法人（DMO）による地域観光開発の取り組みには、大いに期待したいところです。

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